「ストレス発散」という理由でお金を使うことは、少なくありません。
もともと浪費するようなたちではなくても、気がつけば——ということだってあるでしょう。
わたしたちは、物と情報に溢れる社会を生きています。
また、それらは消費者がお金を使うよう綿密に仕組み化され、暮らしのなかに溶け込んでいるのです。
社会人になり、仕事に追われてはいるものの、人生ではじめての都会暮らしに浮足立つ日々を過ごすうちに、わたしもすっかり浪費癖がついていました。
しかし、その浪費癖はあることをきっかけに解消されます。
つまり、浪費癖は、改善できるということです。
試行錯誤して得た、6つの教訓があります。
それらは、いまでも心に刻まれ、節約生活の礎となっています。

|この記事のまとめ|
・浪費癖は、自分の力で解消することができる。
・6つの教訓は、浪費家から脱却するために自分にできることであり、また、そのあとの節約生活にも役立つ。
これが、浪費家の実態だ

浪費家には、つぎのような特徴があるようです。
- 収支を管理していない
- 衝動的な買い物が多い
- 新しい物、流行物が好き
- 趣味、好きなことに無計画にお金を使ってしまう
- 外食、デリバリーが多い
- リボ払いと分割払いをよく使う
- 計画を立てることが苦手
たしかに、かつて浪費家だったわたしも、そうでした。
まず、収支の管理は、まったくといえるほどできていなかったと思います。
衝動買いは、もはやお手の物でした。
流行に興味はありませんでしたが、趣味と好きなことには存分にお金を使ってきています。
目的もなく街を歩き、気になったカフェで食事をするというようなこともよくありました。
金額がかさむものは、あたりまえのように分割払いを選びます。
買い物計画など、ほとんど立てたことがありませんでした。
振り返ると、独身生活を謳歌していたともいえますが、いつも心のどこかに「お金の不安」を抱えていたような記憶があります。
それでも、「なんとかなっている」という事実が、「ストレス発散・自分へのご褒美」という面目を後押しして、浪費という現実にもやをかけていたのでしょう。
浪費癖と似たようなものに、「買い物依存症」というものがあります。
高額な買い物を繰り返し借金もかさみ、自分でも生活に支障をきたしていることに気づいても買い物をやめることができない状態のことを買い物依存症といいます。
厚生労働省 用語解説「買い物依存症」
このように、自分の意志ではどうにもならないほどになると、専門的な治療が必要です。
しかし、意識することでなんとかできる浪費癖は、自分の力で改善することができます。
心に刻む6つの教訓

浪費家を卒業するために駆け抜けた日々は、6つの教訓をくれました。
そのどれもが、いまも心に刻まれ、家計管理を支えています。
「いいな」と感じるものがありましたら、暮らしのなかに取り入れていただけるとうれしいです。
浪費の傾向を知る
浪費の傾向とは、「どのようなことで浪費をしているのか」ということです。
傾向を知ると、浪費することを気にかけられるようになります。
傾向を知るためにおすすめなのは、所持品の見直しです。
身の回りに溢れているものを、整理してみます。
すると、自分がどのようなことにお金をかけているのかがわかります。
それを、一気にやめる必要はありません。
ただし、収支内でおさまらないのはいけないことでしょう。
浪費してしまう根本的な原因を解決するか、この浪費は浪費で楽しみのひとつとして続けるために、予算をつくるなどの工夫をするといいのではないでしょうか。
ストレス発散はプライスレスで
なにかのストレスが、浪費を促すことはよくあります。
だからといって、浪費をしないためにストレスをため込むことは、心と体によくありません。
そこで、お金のかからない方法を考えます。
- 散歩
- 運動
- 料理
- 読書
- 音楽
- 寝る
- 笑う
こういったもので、ストレスが小さなうちに対処すると、大きな浪費を防ぐことができるようになります。
いつも0円で、ということではありません。
たまにつくるご褒美が、より特別に感じられるようにと思うようにしてみると、無理なくできるのではないでしょうか。
家計管理はおおざっぱにでも続ける
家計管理は、浪費家を卒業するためにとても大切です。
手間がかかり、時間も必要なことなので、つい遠ざけたくなります。
しかし、普通は収入の範囲内で生活するもので、その「収入の範囲内」の生活感覚を身につけられるのが、家計管理なのです。
なにを、どこに、いくら使い、残りをどうするのか。
そもそも残りはあるのか、また好きなことにお金を使うためにはどうすればいいのか。
そのようなことを考えられるようになると、衝動的な浪費は減ります。
おおざっぱでも続けることで、お金と上手に付き合うことができるようになるでしょう。
目標をつくる
現状を変えることは、簡単ではありません。
そこで、お金についての目標、もしくは目的をつくるようにします。
これらは、「浪費癖をなくそう」というきっかけになるからです。
そして、初心を強く持ち続けることにも役立ちます。
どのような生活をして、なにを叶えたいのか、わくわくすることを考えてみましょう。
すると、無計画に散財してしまうことに待ったをかけられるようにもなりますよ。
場所・情報から遠ざかる
「買いたい」という気持ちになってしまう情報、場所を自分から遠ざけます。
- いいな
- 欲しいな
- 必要だったような気がする
このように思いはじめると、お金を使うことの理由を探しはじめ、冷静ではいられなくなります。
計画的にお金を使うことが癖づくまでは、距離をおくようにしたほうがいいでしょう。
欲しいものがあったときには一晩おくというのも、おすすめです。
浪費しなくて済むことを知っていくうちに、衝動的にお金を使うことが少なくなっていきます。
お金のピンチはチャンスに変える
浪費家から脱却するためには、とにもかくにも、自分は浪費家だという現状に気づかなければなりません。
お金での危機をきっかけに気がつく、ということが多いのではないでしょうか。
これを、浪費癖解消のためのチャンスに変えていきます。
お金の苦労は、知識不足から起こることも少なくありません。
節約が得意な人をまねたり、お金について学べる本を読んだりして、これからの成長につなげます。
自分を客観的に見て、そこから新しい自分に変わっていくという機会は、意外にもピンチのなかにこそあると思うのです。
さいごに

生活がある限り、消費をすることになります。
お金を使うことが悪いのではなく、お金を使うことが生活を苦しくしていくことに危うさがあるのだと思います。
もし、浪費家から抜け出したいと思うときは、暮らしのなかにひと工夫いれてみてください。
重たい腰を上げると、変わりたいという想いに沿って暮らしは大きく動き出します。
いまとは違う景色を、きっと見ることができますよ。