【解説】ダイエットの本来の意味と、理想のからだを手に入れるための正しい知識・方法

【解説】ダイエットの本来の意味と、理想のからだを手に入れるための正しい知識・方法

2025.3.20

妊娠と出産は、女性のからだをこれまでとは一変させます。
歳を重ねる中で、少しずつ感じるよりも大きな衝撃です。

そんな中、子育てがはじまると体型を気にかける暇もないほど、慌ただしい生活になります。

そこで思うようにならないじぶんのからだを嫌ったり、子どもとのかけがえのない時間をストレスに感じたりするようなことにはなりたくありません。

ダイエットは、正しい知識があることで、あせらずに取り組むことができます。

元フィットネス業界で勤めた経験を踏まえ、ダイエットをするときに必要な基本の知識をまとめました。

|この記事のまとめ|

ダイエットの本来の意味は「食事」である。

・ダイエットの基礎知識を身につけることで、じぶんに必要な方法を選ぶことができるようになる。

・ダイエットの悩みも、理屈を知ると前向きに対処できる。

ダイエット(diet)は、本来「食事」という意味です

(毎日の)食事、食餌療法

英和辞典より

しかし、日本ではダイエットは「痩せること」と理解されている傾向があるようです。

この偏った見方が、からだを変えるために必要な食事と運動のバランスのこと、じぶんにとって健康な体型のこと、さらにはなんのためにダイエットをしようと決意したのかという目的までも掠めとっていくように感じます。

ダイエットをはじめようとするとき、また、ダイエットに迷走してしまうときは「基本に忠実」がいちばんです。

食事で落とし、運動で引き締める


ダイエットの王道は、食事で体重を落とし、筋トレなどの運動でリバウンドを防いだりボディラインを整えたりするというものです。

まずは、食生活を見直しましょう
そして摂取カロリー量を減らします。

次に、なにかで体を動かしましょう
無理なく続けられるもの、続けるためにはどうするのかを考えます。
習慣化することが大切です。

期間は、3か月を目安にします
時間をかけて、体の変わるようすを観察しましょう。

食事での大切なこと


食事は、腹八分目にします。
毎食おなかいっぱいでは、カロリーの摂りすぎで痩せません。

また、バランスよく食べます。
ダイエットの食事方法は、あふれるほどの情報があります。
いろいろと試しながら、続けやすくて効果が感じられるものを探します。

そのとき気をつけることは、「〇〇だけダイエット」は続けるうちにからだが負担に感じることがよくあるということです。

栄養素は複雑に絡みあい、からだを作っています。
つまり、基本はバランスよくです。

日本食は高カロリーなものが少なく、日本人の消化器官にもあっています。
ダイエットに和食が進められるのは、そのような理由もあります。

運動での大切なこと


運動習慣をつけることを目標にします。

健康状態をよくするためにも、リバウンド予防のためにも、美しいボディラインのためにも、運動は欠かせません。

種目は、なんでもいいのです。
散歩、ヨガ、ランニング、テニス、野球……いろいろあります。

たくさんのダイエット情報があります。

そのなかからじぶんに必要なものを選ぶために、ダイエットの基本を理解しておくことをおすすめします。

1. 体重は食事で落とす


体重は、食事を見直して落とします。
その方法は、食事量(摂取カロリー)を減らすことです。

つまり、「消費カロリー > 摂取カロリー」で痩せることができます。

しかし、ほかのさまざまな理由でも体重は落ちます。
たとえば、むくみを解消する、排せつを促すことです。
極端な話ですが、飲みものの量を調整するだけでも体重は変わります。

うまく体重が落ちているのかを確認したいときは、「消費カロリー > 摂取カロリー」を意識し、1か月~3か月かけて体重が1kg 以上落ちていることを基準にします。

毎日同じ時間に体重計に乗り、0.5kg 単位の増減であれば、それはそのときの体の調子によるものであってダイエットの効果とはいいにくいです。

2. 運動は痩せるためではない


ダイエットを始めるとき、筋トレや有酸素運動もしますが、それは痩せるためではありません。

筋肉量を増やすことで、痩せやすい体、リバウンドしにくい体をつくるためです。

単に体重を落とすことが目的であれば、まずは食事を見直しましょう。
そのほうが効率的です。

3. 目的を明確にする


目的によって、ダイエットの進めかたは随分と変わります。

「なんのために」をはっきりとさせてからはじめることが、成功の秘訣です。

体重を落とす


体重を落とすことが目的なら、まずは食事の改善からはじめます

運動も、筋肉を減らさないためにします
食事制限で筋肉量まで落ちると、脂肪を燃やす場所が減ってしまいます。
すると、痩せたあとにリバウンドしやすくなります。

ですので、食事で体重を落とし、リバウンド防止に運動習慣をつける、という方法が一般的です。

ボディメイク


ボディメイクは、体の見栄えをよくすることです。

この場合は、筋トレと、筋肉がつきやすい食事がたいせつです。

筋トレは、強い負荷をかけます。

食事では、糖質制限をすることもあります。
これは、効率よく脂肪を落とし筋肉をつけるためです。

また、必要な栄養素を適切なタイミングでとるようにもします。
たとえば、プロテインです。

このようにボディメイクでは、筋トレと栄養素、ときには有酸素運動を組み合わせながら、見栄えのいい体をつくるというゴールに向けて計画を立てて進めます。

健康数値の改善


血圧や、血糖値、体脂肪など、体内数値の改善を目指すときには、まず持病による運動の危険因子を確認します。
これは、かかりつけの医療機関で相談ができます。

高血圧の人がいきなり高負荷の筋トレをすると、血管を損傷する危険があるので、有酸素運動とストレッチなど、血管がやわらかくなる運動をします。
そして、食事の改善と十分な休養も意識します。

ほかの持病がある場合もおなじです。

どのような健康問題を解決しようとしているのか、避けるべき運動項目はなにかを前もって確認し、食事の見直しも含め安全に効果を得られる方法を考えます。

ダイエットをするひとの多くが、「リバウンド」と「効果」について悩んでいます。

どうして悩むことになるのでしょう。

もしかするとそれは、仕組みを知ることで納得できるかもしれません。

1. 「リバウンド」


ダイエットでは、減らした体重がもとにもどることをリバウンドといいます。

原因は、いろいろです。
そのなかで、特に覚えておきたいことがあります。

それは、「からだには、元に戻ろうとする働きがある」ということです。

体重を大幅に落としてリバウンドしてしまうことも、モチベーションが下がりダイエットをやめた途端リバウンドしてしまうことも、元をたどるとからだのこの働きにつながります。

フィットネス業界では、ダイエットの停滞期のことを専門用語でプラトー(停滞期)と呼びます。
そしてこの期間、モチベーションを高く過ごすためにいろいろな工夫をします。
理由は、この期間がリバウンドを乗り切るために大切だからです

からだは「元に戻るか、このまま痩せた状態に適応するか」を考えているのです。

ここを乗り越えると、またさらに体重を落とすことができるようになります。

解決策


「リバウンド」の悩みを解決するためには、体重を少しずつ落とすことです。

少しずつ体重を落とすあいだに、筋肉まで落ちてしまわないよう運動(筋トレだとさらにいい)をすると、二重でリバウンドを防ぐことができます。


もちろん、短期間で痩せることはできます。
しかし、課題もあります。
痩せた状態にからだが慣れるまで、そのストイックなダイエットを続けられるのかということです。

子育て中のダイエットは、無理なく続けられる長期的な計画のほうが、心とからだにやさしいのではないでしょうか。

2. 「効果が出ない」


効果がなかなか出ないことで悩むこともあります。
そのようなときは、なにかが欠けています。

解決策


「ダイエットの効果がでない」と悩むときは、①からだの状態を整えること、②正しい方法でできているのかを確認すること、③自分にあったダイエット方法を探しなおすことをしてみましょう。

① からだの状態は整っていますか?

ダイエットで効果を出すためには、睡眠や休養をとり、バランスのよい適量な食事と運動習慣で、内臓の状態やホルモンの状態、神経系の働きまでも整えることを意識します。

それだけで、からだの見た目も中身も変わることがあります。
そのくらい、からだの状態を整えることはダイエットに効果的です。

さまざまな事情から、思うように整えられないこともあります。
しかし、どの部分が不足しているのかをじぶんが理解していることで、なにを気をつけるか考えられるようになります。

焦らずに、まずは基本からです。

② そのダイエット方法は正しいですか?

いい状態のからだで、正しい方法のダイエットをすれば、たいていの場合効果がでます。
効果がでないときは、なにかを間違えているのかもしれません。

もう一度、情報の発信元を調べたり、同じ方法についていくつかの情報を調べたりして考察をします。

たとえば、からだの調子を整えるために「断食」をする方法があります。
これは、素人が何日も続けていいものではありません。
極端な糖質制限もおなじです。

情報を流し読みせず、理解を深めてからはじめるようにします

③ 自分にあっていますか?

だれかの成功が、自分にも当てはまるとは限りません。
生活スタイルや性格、体格、骨格、体質、目的はそれぞれ違います。

健康に続けられ、効果を感じることもでき、からだや心へのストレスが少ないものが自分にあったダイエット方法でしょう

周りではなく、自分自身に集中です。

ダイエットの意味を知ると、からだを変えるために食事がどれほど大切なのかがわかります。

また、体のゆがみを整えたり、動きやすい体を手に入れたりするためには、運動・筋トレも欠かせません。

食事や運動を気にかけることは、自分のからだへの思いやりです。

むりなく続き、効果も感じられるような方法を見つけることは、情報が溢れるいま、なかなか簡単なことではありません。

そのような発見があったときには、ぜひ大切な習慣にしてほしいと思います。