2025年10月末、わが家は町の空き家バンクを使い、空き家を購入しました。
築50年の、小ぶりな平屋です。
理想的な佇まいと気に入った立地に加え、シロアリ被害がなかったこと、生活しやすそうな間取りだったこと、予算内で住める状態にできそうなことが決め手でした。
「空き家に興味はあるけれど、実態がわからないから不安」ということもあるでしょう。
そこで、購入から修理をして住み始めるまでの実体験をまとめてみました。
イメージを膨らませるための材料として、お役立ていただけるとうれしいです。

この記事では、平凡な主婦が空き家を購入し、業者さんの力を借りながらDIYにも挑戦して住まいを整えた記録を覗くことができます。
目次
空き家とは

空き家の定義は、「空き家等対策の推進に関する特別措置法(空き家法)」に記されています。
この法律において「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。第十四条第二項において同じ。)をいう。
国土交通省:空家等対策の推進に関する特別措置法(平成二十六年法律第百二十七号)より
1年以上、人の出入りや電気、ガス、水道の使用がない物件を「空き家」と判断するのが一般的です。
特定空き家?
「特定空き家」というものもあります。
この法律において「特定空家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。
国土交通省:空家等対策の推進に関する特別措置法(平成二十六年法律第百二十七号)より
購入しても大幅なリフォーム、あるいは解体して建て直しをしなければならない——ということが起こりやすいのは、このような物件です。
令和5年に定められた、「特定空き家予備軍」改め「管理不全空き家」というものも同じです。
リフォーム計画を正しく練り、支払いの見通しをスッキリさせるためには、買いたいと思った空き家の状態をよく確認することが欠かせないでしょう。
なぜ、空き家を買うことにしたのか

私たち家族が空き家を買うことにしたわけは、空き家を買うことの「良さ」にあります。
空き家を買うことの「良さ」
空き家には、3つの「良さ」があると考えています。
それぞれの詳しい内容を、以下にまとめていきます。
安く買うことができる
新築を買うよりも、土地と物件を安く買うことができます。
土地選びの選択肢が広がる
古くから人が住んでいる場所は、安全で、土地の価値が高いこともあるようです。
実際に、空き家を選択肢にいれることで、地方でも良い立地を探しやすくなりました。
新しく作られた分譲地にくわえ、選べる土地がさらに増えたのです。
「ある物を活かす」という選択ができる
空き家を買うということは、もともとある家や土地を活かすということになります。
物や環境の好循環に一役買う行動は、空き家問題を抱えているいまの日本社会にとってきっと大きな貢献になる——。
そのような気持ちから、満足度の高い買い物になりました。
もちろん課題もある
空き家を買うことの課題も、もちろんあります。
考えられることと、実際に感じたのは次の3つです。
リフォーム費用が思いのほか高額になる
古い家に住むためのリフォーム費用は、思いのほか高くなってしまうことがあります。
わが家は、傾き、水回り、少しの断熱を専門業者に依頼し、その他の修繕は自分たちの手で行いました。
高額になりがちなリフォーム費用を、できる限り抑えるためです。
まず、空き家を購入する前にリフォーム会社の方と内覧し、必要最低限のリフォームにかかる費用を見積もりにして出してもらいました。
そして、購入からリフォームまでの費用が、あらかじめ考えていた予算内で収まるのか念入りに確認。
これで、空き家を安く買ったのに新築購入と変わらない費用がかかってしまったという事態を避ける計画です。
結果は、上々でした。
ローンの種類が限られる
空き家は、建物の価値が低いため、選べる住宅ローンの種類が限られます。
無理のない支払い計画を立てるために、リフォーム費用と返済額、DIY計画を何度もすり合わせたりする必要があるでしょう。
わが家は、「本当に買っても大丈夫か」という夫婦会議を、毎夜、2カ月半にわたり開きました。
空き家リフォームに関わる補助金の対象外になり得る
空き家を直すための補助金が、申請できないということがあります。
良いなと目をつけた物件が、一般的な判断基準では空き家だとしても、自治体の定めた基準を満たしていないと補助金の対象にはならないからです。

私の住む町で空き家リフォームの補助金を申請できるのは、「3年以上、人が住んでいない物件」でした。
気になる空き家を見つけたときには、自治体のホームページや役場の窓口などで、補助金の対象になる物件なのかを確認してみるのがおすすめです。
空き家を買うときに大切なこと

空き家を買うときは、「目的」をはっきりとさせることが大切だと感じます。
空き家は、リフォームがはじまってからだけでなく、暮らしはじめてからも想定外のことがさまざま起こり得る物件です。
「なんとなくビビッときて」「流行っているみたいだから」「安いから」という理由で買うこともあるかもしれません。
そうであっても、納得できる買い物になるよう、自分の考えを整理しておくのがおすすめです。
- 家族と安心して暮らしたい
- 昔ながらの家屋をおしゃれに改装するのが夢だった
- なるべくお金をかけずにマイホームを手に入れたい
さまざまな意図があるはずです。
それらの想いがあることで、地に足がつき、視野も広がります。
思い描く暮らしを形にできるような、すてきな出会いにつながるとうれしいですね。
空き家購入から引っ越しまでの全体像

空き家の購入から引っ越しまでにこなしたことを、書き出しました。
やらなければならないことの全体像がわかると、段取りを組みやすくなるのではないでしょうか。
こんなにあった「やること」リスト
- 借り入れの事前審査
- 自治体の「空き家バンク」に登録をする
- 希望の空き家を「空き家バンク」などで見つける
- 売主と内覧の日程を合わせる
- 必要に応じて自分たちの仲介業者を探す
- 仲介業者(リフォーム業者)と一緒に空き家を内覧し、再検討
- 購入に向け価格交渉
- リフォームの総見積もりを出し、予算と照らし合わせてさらに検討
- 購入について双方合意の場合、ローンの本審査へ
- 本審査通過後、売主さんへ支払い
- 火災保険の加入
- リフォーム日程の調整
- 自分たちが行うリフォームの計画を立てる
- いざリフォーム&DIY!
- ライフラインに関する契約関係を整理する(解約や契約)
- 引っ越し
リフォームの記録
こじんまりとした佇まいと暮らしやすい立地にある平屋を、なるべく低予算で住めるようにしたいというのが、私たち家族の想いでした。
リフォームの様子は、おおまかな場所ごとに分け、それぞれ記事にしてまとめています。
玄関と廊下
▼ さらに詳しく読む

畳の間と縁側
▼ さらに詳しく読む
※随時更新
リビング
▼ さらに詳しく読む
※随時更新
台所
▼ さらに詳しく読む
※随時更新
洗面・脱衣所
▼ さらに詳しく読む
※随時更新
家族にとって大切なことを見つけていく楽しさがある
いま住む町に越してきてから5年の歳月をかけて購入した空き家を、自分たちでも手を加えながら住めるように直してきた4カ月間は、家族がそれぞれ大切にしたいことを見つけていく楽しい時間でした。
前向きな妥協といい塩梅を心がけたことが、気長に、ほどよく生活できる、わが家にちょうどいい家を作り上げていったのだと感じます。
なんでもある、少しでも効率よく、時間をかけずに、そのような世を生きる日々のなかでできた、貴重な経験でした。
じつはまだ、プロペラがボロボロになった台所の換気扇を直すことができていません。
にんにくを使った料理を作ると、家中もう大変です。
近々、交換しようと思っています。
▼ 家の購入を通して学んだことや感じたことについて詳しく読む

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

